2020年読んだ本
2020年ももう終わろうとしているので、今年読んだ本をまとめようかと思います。コメントが少ないからって別に面白くなかったわけでは必ずしもありません。僕が面白がれなかっただけですきっと。
1.めちゃくちゃに良かった作品
僕はクオリアって大好きです。こういう「自分の感覚は本当なのか」って感覚(この認識で合ってますかね?)
この作品はタイトル通りクオリアを主軸に話が展開していくわけですが、その一つのテーマから様々な哲学的なところへ発展し、いろいろあって果ては魔法少女まで。中盤以降の展開は予想外+スピード感でとてもカオスでした。
すごい力を手に入れても、やり直しができても、結局他人は他人、変えられないってことをすごく感じました。あと百合感強いです。
言わずと知れた名作でしたが、今年初めて読みました。いや本当に良かったです。
こうした話の展開をしていく作品は数多くあるし、自分もこれまでいろいろ触れてきたところではあるんですけども、この作品はやっぱ別格だなと思ってしまいます。
ヒロインの儚さと主人公の無力さ、やっと掴んだようでも、どんどん手のひらから零れていってしまうストーリーの展開は、主人公の過ごしたひと夏を濃厚に体験できます。カッコつけたって痛いのは嫌だし、感情的になって大事なものを失ってしまったりする、10代の痛々しさがとても出ているように感じます。確実に忘れられない作品です。
一言で「最強になれる作品」と言ってしまえる作品です。
ぶっちゃけわけわからん単語や固有名詞が多いのもあって、なんだかよくわからない場所もあったんですけど「物語などどうでもいいからカッコいい文章を」って感じの人にはとてもいい作品だと思います。
曲が好きってわけでもないし、歌詞が心に響くわけでもないけど、全体の曲の雰囲気・音が好きって曲あると思うんですよ。僕にとってはそういう曲のような作品です。
・俺、ツインテールになります
聖典です
・スワロウテイル/初夜の果実を接ぐもの
スワロウテイルシリーズは1作目~3作目までを2年前ぐらいに読んでいたのですが、最終巻を読むのが怖くてずっと温めてました。アニメの最終話だけ見れないのと一緒のやつです。
意を決して読んだのですが、この最終巻も今までと変わらずだいぶダメージを受ける重さでしたね。辛い。
ニューロマンサーにも通じる雰囲気作品(ほめてます)だと思っています。独自の設定や世界観があって面白いし、それらのネーミングもカッコいいです。
世界観はサイバーパンクのようなんですが、そこに流れる法則がオカルト的というか東洋的な雰囲気がするところが特に面白いところです。唯一無二の作品だと思ってます。
ストーリーは割かしわかりやすいし、全体の文量も多くないので、読む機会があればぜひ。
2.とても良かった作品
・戦闘妖精雪風(改)
何を信じればいいんですかね……?
めちゃくちゃ話題作でしたが、食わず嫌いでなかなか手を付けずにいましたがこの度めちゃくちゃ面白いことに気づいてしまいましたね。
特に何か言うことはないんですけども、レムはすごいキャラだと思いますね。ゲーセンで見ない日はありませんし。片目隠れキャラはずるいですね。
あとスバルくんが不憫すぎやしませんかねぇ……?
・宇宙人相場
細かいこと考えずに楽しめました。みんな緩くて優しい世界。あたたかなハッピーエンドです。
・赤鬼はもう泣かない
後半の急展開といろいろ不明な点がわかっていくところは、非常に辛いところもありましたが、悲劇的なところに落ち着かなくてよかったなって思いました。なんだかんだエピローグが幸せそうだと安心するんです。
あとイラストがとても可愛いのもいいですね。序盤の雰囲気がどこか日常系みたいになっているのに一役買ってると思います。
前から気になってた作品でしたが、なんかめちゃくちゃに生々しくてキツイ作品なのかなと思ってなかなか手が出せずにいました。買ってから2年ぐらい積んでた気がします。
読んでみると、意外にも軽い文体で読みやすかったです。さらさらと読めました。
また、題材とかは結構裏社会的な感じなのですが、魅力的なキャラ達やスッキリする感じの結末になるところからも気持ちよく読めました。
個人的な感情で、実際のところそうだったのかはわかりませんが、1990年代後半~2000年ごろはなんか世間が殺伐としていたように思います。
それは当時のテレビドラマだったり、音楽だったり、アニメもそうかもしれませんが、反映されてるように思います。この作品ももちろん。とても好きな時代です。
ヴィークルレースっていう架空のレースを主軸に据えた作品です。
ヴィークルレースっていうのが特殊なサプリを使うことで共感覚をめちゃくちゃに広げ、それにより自分自身を最大限"操作"し、生身でレースをするっていうよく説明しづらいレースなんですが、これがスタイリッシュで面白いです。その他の設定もしっかりと主人公の心情を表すのに機能してるのがとても良かったです。無駄のないストーリーだと思います。
・星を墜とすボクに降る、ましろの雨
好きなものがずっと好きで、それでああいうところに行きついたのだから、これはきっとハッピーエンドなんだと思います。
あとイラストがとてもきれいでいいですね。作中の風景の描写ととても良く合ってます。
よく言われていますが、作中の暴力描写は少しも慈悲がありません。めちゃくちゃしてます。でもそれを主人公の独特の語りを通すことで軽快に読めました。やってることは唐突な暴力ばっかりなんですけど、どこかスタイリッシュというか、ミュージカルを見ているみたいでした。
・破壊された男
エスパーってすげぇな……て思いました。
・1984年
ディストピアものって中盤の「レジスタンス始めます!」みたいなとこが一番好きなんですよね。結局後半につぶされちゃうけど。
3.良かった作品
ページをめくるたびに釘宮理恵が聞こえる。
ふわふわした世界観と描写でしたが、最後にちょっとドキッとしました。
・スカイフォール 機械人形と流浪者
だいぶ期待してなかったんですけど、予想に反して面白かったです。黒歴史は誰しも必要だと強く感じます。
・思春期ボーイズ×ガールズ戦争
規制されてるからこそ面白いものってあると思います。
・閉鎖のシステム
暗闇の中でストーリーが進んでいくこともあって、真相がよくわからないまま進み、そのまま終わります。でもそれがいいと思います。
・SF飯 宇宙港デルタ3の食料事情
飯テロ的な描写はあまりなく、美味いものを食べるために試行錯誤する描写が面白かったです。それに付随するドタバタも楽しめました。
・特異領域の特異点
哲学的な雰囲気のあるタイトルですが、普通に読みやすかった作品です。SF要素もくどくなかったと思いますし。
4.まとめ
めちゃくちゃ感情になってしまう作品と結構出会えてよかったなって年でした。
来年はもっと量を増やしたいと思います。積本がきっと期限切れになってしまうので。